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ほんとにあった! 呪いのビデオ
Part39
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No.1
「廃 アパート探検」

 恐怖度:★★★★
不気味度:★★★★★
 衝撃度:★★★
 解像度:★★★★

■ 現象 ■
深夜とある誰も住んでいないアパートを訪ねた投稿者の映像。このアパートはかつて父親によって幼い娘が風呂に沈められ、殺されるという事件の現場となった場所だ。ここを探索中に奇妙な現象が起きたのだが…。

■ 解説 ■
初っ端に大作持ってくる手法、最近良く使うなぁ。
ということで、今回もいきなりの衝撃作、みんな大好き「現物出現タイプ」です。
現象は、「虐待死の現場になった」お風呂を映し終わり、出ようする投稿者。
ドアのすりガラス戸に、ハッキリとこちらを睨む女の子!

心霊スポット突撃系は今まで何度もやってきたが、今回はその中でも指折りの出来だと思う。
投稿者の彼女のリアクションが素晴らしく良い。
「声が聞こえる」「こっちー…」「早く出ようよ!」とか、臨場感に関してはトップクラスの出来。

現象に関しては最近の現物タイプが強烈過ぎたため、
インパクトに欠ける所はあるが(贅沢な話はあるが…)
彼女のリアクションでの臨場感を含めこの評価。素晴らしいでございます。
地味に絶対ここに出るだろ!と思ってた風呂に出ずに、
帰りのちょっと油断したタイミングで出るのも悪くない!

泣き声っぽい声もちょっと聞こえるしなぁー… 必見です。

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No.2
「放火」

 恐怖度:★★★★★
不気味度:★★★★
 衝撃度:★★★★
 解像度:★★★★

■ 現象 ■
高校生の投稿者が春休みに東京の姉のアパートを訪ねた時の映像。帰宅したら両親に姉の部屋の様子を見せる為、携帯カメラで撮影をしていた。しかし、カメラが何気なく洗面所の鏡を写した際に顔の焼けただれた女が…。

■ 解説 ■
現象は、ユニットバスに入った妹。
浴室の鏡を映した際、奥のテレビの上に気味の悪い異質な外国人風の女性の上半身が見える。(ちなみにこれは全く触れてないからスルーなのか?)
多分現象はこれかなー、なかなか怖いし悪くないなー、と見ていると、突如、電気が消える。
5秒後、電気がつくと投稿者の後ろに焼けただれた老婆の顔! 近い!!

これは素晴らしいな。Part25の「自分の部屋に出る最悪なモノ」である「呪いの女」
の強烈なインパクトと、後々に残るうすら寒い恐怖感をミックスさせた上で
2連続の事象発生ですよ。
間違いなく、高いレベルでまとまった秀作。

2連続での「現物出現タイプ」とは、はたまた大サービスだな。
3カ月リリースの締めだから力入ってるわ。
前の恐怖を引きずりながら見てるから大満足。


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No.3
「仏像」

 恐怖度:★★
不気味度:★★★
 衝撃度:★★★
 解像度:

■ 現象 ■
遠方に住む友人の家に旅行に行った際、有名な仏像があると聞いて向った投稿者。日没直後に友人とカメラを持って寺に出かけ仏像を撮影。写真のフラッシュで照らされた仏像には顔のような不可思議なものが写っていた…。

■ 解説 ■
深夜にそびえ立つ仏像はなかなか怖いものがある。
現象は、仏像をフラッシュで照らした一瞬の間に映る、苦悶の表情…のような影。
初期のほうでフラッシュに一瞬だけ映るパターンは多かったが、このパターン久々ですな。
てかこのシリーズは良く気づくよな(笑) どんだけ怖かろうが
一瞬のフラッシュの中に映る顔なんてどんだけ動体視力良くても解らんっすよ。
決して悪くはないが、解析度があまりにも低いのがやっぱり勿体ない。

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No.4
「赤子」

 恐怖度:★★★
不気味度:★★★★
 衝撃度:★★★
 解像度:★★★

■ 現象 ■
生まれたばかりの投稿者を撮影したというホームビデオの映像。最近、亡くなった父の部屋を整理した際に見つけた映像を見ると、本人である赤ん坊の左目に気味の悪い現象が起こっていた…。

■ 解説 ■
赤ちゃんをお風呂に入れたり寝かしつけたり、の温かいホームビデオ。
画質が古いのでちょっとだけ不気味ではあるが、現象はとてつもなく不気味。
赤ちゃんが布団でうとうとしている際、一瞬だが左目が異様に大きくなる。
まるで宇宙人のような… その左目に映るものもまた意味が解らず、ただただ不気味。
直後にカットが切り替わるのも… 撮った人気づいてたのかな?

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No.5
「狂死のビデオテープ 蛮行」

 恐怖度:★★
不気味度:★★
 衝撃度:★★★★
 解像度:★★

■ 現象 ■
「心霊博士」と名乗る人物の娘と心霊映像を渡せと脅迫する謎の男、小田。指定された公園にビデオテを持って行くが誰も現れない。と、その時、顔を真っ赤に塗り軍服姿で日本刀を振りかざす男がビデオを強奪していった…。

■ 解説 ■
あらすじは省略。
「小田」に連れ去られたと思われる、心霊博士の娘を助けるべく
指定された公園へ向かった児玉と伊月。
広い公園を散策しているも小田は見つからず、陽も落ちて帰ろうとするも
直後、日本刀を振りかざしながら軍服姿で顔を真っ赤に塗りたくった小田が奇声を上げて襲ってくる!
マジキチ恐るべし。。。。ってかマジびびった(笑) 突然すぎるわ。
斬りつけられずに無事だったのは何よりだが、ビデオは持ちだされてしまった。

結局、恭子さんも助けられず小田にテープを奪われる最悪の事態となった。
その後も恭子さんとは連絡はつかず、意を決して小田家に突撃するも
小田の姿はなく、スタッフが交代が見張るも姿を見せることはなかった。
つーか警察いけや(笑)

因みに、小田が襲ってきた際に一瞬だけ、背中にとり憑いたような白い影が映る。
調査でここまで異常な事態が起きるのは呪いのビデオ史上稀ではある。らしいが。
そんなんどーでもいいってか、キチガイこええ(笑)

その後、ようやく警察に行くことを考えだしたスタッフ。おせー。
ここで、ちょこちょこ出てくる心霊博士の元同僚の講師から
遺族の連絡先が解った、とのこと。
この人GJすぎるわw

続く。
さーて、どうオチつけてくれんだか…。

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No.6
「残された動画」
(ちょっと評価甘かったので編集)

 恐怖度:★★★
不気味度:★★★★★
 衝撃度:★★★★
 解像度:★★★

■ 現象 ■
この映像は投稿者の女性が「自分の携帯電話に、撮影した覚えのない動画が残っていた」というものである。女性は、実家の近くで偶然見た結婚式の行列が影響しているのだろうかと言うが。その映像には奇妙な顔が…。

■ 解説 ■
個人的に、頭2つの現物出現タイプを押しのけて今回のベストチューン。

携帯電話に記録された、撮った記憶のない、「結婚式の映像」。
投稿者の女性は、実家の北海道に戻った際に「結婚式の行列」を目撃したらしく
それが影響しているのかも、とのこと。
因みに、田舎なので結婚式があれば周りの住民は解るはずなのだが
母親曰く「知らない」とのこと。

事象は古い結婚式の動画。
神前の鏡を映すと、明らかに鏡の前にいないのにも関わらず、
まるで鏡の中にいるような黒い女の顔がこちらを睨む…
後日談として、投稿者に再び連絡を取ろうとしたが、電話がつながらない状態が続いている。

事象は不可解すぎてリアリティに欠けるという欠点はあるが、
古い結婚式の映像と途切れ途切れになる音声とが不思議と厭な恐怖感を与える。
女の顔はそれほどインパクトもないが、よくみたら、この顔って投稿者の顔と似てないか?
投稿者の顔のモザイクがいつもより薄いのはそのせいだろうか。

「結婚式の行列」と聞いて
真っ先に思い浮かぶのは「狐の嫁入り」だろうか。
しかし、Wikipediaで調べると北海道にはこの言い伝えは無いという。
では、この現象は何なのか?
はたまた狐の嫁入りだとしたら、古くから伝わる日本怪談を奥深く映した希少な動画になるのか?

それにしても、何故携帯のメモリに勝手に動画が記録されていたのか?
鏡の奥にいた女は何か?
投稿者は怪談の世界に取りこまれてしまったのか?
狐の嫁入りは人間に危害を加えたという事か?

そういう洒落にならない想像を掻き立てさせるようなエッセンスを含んだ
古くから伝わる怪談噺の新解釈にもなれるような、とんでもない事象に挑んだ一本。

決して一見した怖さはなく、意味が解らないと言う人の方が多いだろう。
だが、散りばめられたピースから想像できるものはオカルト好きの好奇心を揺さぶる。
マニア向けな一本。
個人的にはたいへん好みです。


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No.7
「シリーズ監視カメラ 留守番モニター」

 恐怖度:★★
不気味度:★★★
 衝撃度:★★★
 解像度:★★★

■ 現象 ■
ひとり暮らしの父親の様子を記録したWebカメラの映像。父と離れて暮らす娘が、父の安否を確認するため家の食堂にモニターを導入。ある日、父が食事を終え部屋を出ようとした時、不可解な顔のようなものが写ったのだが…。

■ 解説 ■
事象はテーブルの下に映る初老の女性の顔。被写体の老人をずっと見つめている。
出現場所がイヤなのと、目で追う仕草が地味に怖いというのはあるが
この日は亡くなった母の命日だという事実が、ちょっと切なく感じてしまう。

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No.8
「狂死のビデオテープ 続・蛮行」

 恐怖度:★★★★★
不気味度:★★★★★
 衝撃度:★★★★
 解像度:★★★★

■ 現象 ■
突然、消えた「心霊博士」の娘。状況からして娘は誘拐された可能性も否定出来ない。我々スタッフは、亡くなった「心霊博士」の妻と電話でコンタクトすることに成功。妻曰く…私たちには娘などいないと言うのだが…。

■ 解説 ■
心霊博士の遺族に話を聞くと、衝撃の事実。
曰く、私たちに娘はいない。
ビデオテープを渡せ、と嫌がらせを受けたのは事実だが、
嫌がらせの主は小田という男ではなく、久杉という30代ぐらいの女性とのこと。

「恭子さん」の姿を遺族に確認すると、嫌がらせをしていたのはこの女性だという。
つまり、「浅野恭子」=「久杉」は心霊博士の娘と偽っていた。

その後、小田のアパートの住人に話を聞きに行くと更に有力情報入手。

・そこに住んでいるのは大家さんらしい。 (え、あのキチガイが!?)
・小田の家には男ではなく女性が住んでおり、その女性が大家さん。
・男は隣に住んでいるが、どうやら大家さんの弟。
・弟さんは30代で、坊主頭。
・大家さんは30代の女性で、足が悪く杖をついているらしい。
・スタッフが浅野恭子と小田の写真を見せると、その大家である「久杉姉弟」に間違いないと。

やっぱグルだったね、俺の予想当たったわw 自慢にもならんがwww


スタッフの結論。
とんでもないネタバレのため一応伏せておきますか。

我々が保管していた心霊博士のビデオテープを入手しようとしていたのは
「小田」と呼ばれていた久杉(弟)ではなかったのだ。
久杉弟は、ある人物の命令によってテープを渡せ、とやってきたのではないだろうか。
その人物とは、久杉姉である。
久杉姉は、テープを欲しがり、弟を使ってテープを手に入れようとしたが、失敗した。
そこで、我々に接触し、心霊博士・浅野氏の娘を偽って、「小田」の脅迫に怯えるフリをして
我々にテープを渡すよう接触してきたのだ。
だが、我々はその申し出を制作委員会の規則に則って断った。
そのため、久杉姉は、小田という架空の人物の存在を利用して、狂言誘拐を装い
我々からついに、テープを奪い取ったのだ。
久杉姉は、浅野氏が自殺した数日後、遺族に対してテープを渡すように迫ったが
既に焼き払われていたため、何本かテープを所有する我々に対して、
このような行動に及んだのではないだろう。

久杉姉は、浅野氏の遺族に「人を呪い殺せるビデオテープがあった筈だ」と迫ったという。
それは、田村さんへの取材時に判明した「見たら狂い死ぬビデオテープ」と似通った言葉であり
もし浅野氏がそのビデオを見ていたとすれば、精神に異常をきたし自殺してしまったという
最後と、重なるのだが…。

また、久杉という彼らの名字も気になる点である。
何故ならば、浅野氏が授業中に話したとされるというオカルト話に出てきた軍人の名前も
「久杉」、であったからだ。
そして、足の悪い姉と精神障害のあった弟。
もしかすると、久杉兄弟は呪われた久杉少尉の孫ではないだろうか。
そして、今回の取材中、複数の不可解な事象は、久杉少尉の「呪い」に関係するものだろうか…。

ところで、久杉姉は、浅野氏の人を呪い殺せるビデオテープを入手し、
一体何に復讐しようとしていたのだろうか。

久杉一族は、戦争という時代の渦に巻き込まれ、已む無く呪いを背負ってしまった。
そう考えれば、久杉姉は戦争を産んだ人間社会全体に復讐を企てている
と考えるのが妥当といえるのかもしれない。

しかし、久杉姉弟が我々から奪い取ったビデオテープの中に、
人を呪い殺せるビデオテープは含まれていなかった筈である。
何故ならば、心霊博士からの投稿を全て検証した我々は今のところ命に別条はないからである。


ところが・・・


後日、亡くなった浅野氏の妻・レイコさんから我々の元にビデオテープが送られてきた。
引っ越しの際に、書斎のテレビ台の裏に落ちていたものであり、
内容は未確認だという。
ここで、この映像を公開することにする。
しかし、この映像は熟考の上、ご覧いただきたい。
万が一であっても、人を呪い殺せるビデオテープ、あるいは、見たら狂い死ぬビデオテープである
可能性があるからである。
因みに、制作委員会では、編集スタッフの大杉以外、誰もこの映像を見ていない…。
(大杉、いい顔だな(笑))

警告

これからご覧いただく映像はあなたの心身に深刻な霊障を引き起こす可能性があります。
気が進まない場合は再生を止めてください。
こちらでは一切の責任を負いかねます。

カウントスタート。
いつものパターン。そんなんしったこっちゃねえ! といざ回覧!!!


第一の映像。
砂嵐の後、雨の音とかごめかごめの鼻歌をバックに
床に大量の赤い液体(ペンキ? 血?) を指で円になぞる映像。

第二の映像。
ピーというノイズの音と共に、不気味な襖の静止画。
ノイズ音が甲高くなると同時に、襖が空いたりしまったりするカットが次々と映る。

第三の映像。
先ほどの襖の映像が異様に赤くなり、襖の奥から気味の悪い女のような影が立っている。
女は徐々に顔を傾け、こちらを除く。
最後に女の顔、ドアップ! 半笑いの表情が気味悪いが、あれ、意外と美人じゃん(笑)


事象の感想。
これはすげーや。感服。
確かに人間の深層心理から来る恐怖感やらが一気に湧き出るような
そんな怖さというか、厭な映像のオンパレードのビデオだ。
個人的にこの手のもの(ダビングといい)は、リアリティさがないため作りだと思ってますが(怖いから(笑)
その中でも完成度…っていうのは野暮かもしれんけど、トップクラス。
これ見続けたら精神狂うのも解らんでもないかも。
暗示にかかりやすい人には見せない方がいいです。なかなか凶悪。


オチ。
最後に、かなり不機嫌な伊月君が、久杉姉に事の結末を吹き込んでおいた(笑)
それから数週間が経ったが、制作委員会の身辺に不可解なことはなく
休養を取っていた板倉さんも復帰した。

しかし…

スタッフルームの扉に、またも久杉弟人物が描いた文字が…
「いずれ みんな 呪い殺す」
(時間帯的に考えて、スタッフが中に居た時に書かれた…?)

しかも数日後、編集スタッフの大杉(問題のビデオを見た人)と連絡が取れなくなり
今現在も、連絡はとれていない。らしい。


つか、ほとんど中村さんの台詞書き起こしになっちった…


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総評:★★★★★★★★☆☆(8/10)

3カ月リリース第二弾の有終の美を飾った今作。
「狂死のビデオテープ」シリーズは、後味さえ悪いが(いい意味で)
呪いのビデオの長編にしてはまとまったラストだった。
当初かなりグダグダしてたから、「27」以下になるとは思ってたのだが
終わり方は「27」より数段は良かった。こんだけやれれば十分である。

今回はメインだけでも最高だったのだが、投稿映像のレベルも総じて高い。
現物出現タイプを冒頭に2本持ってきたやり口で、最初に恐怖感を植え付ける
という手法も大当たりだった。

特筆すべきはやっぱり「残された動画」かな。
詳しいことは上に書いてあるから割愛しますが、
日本に伝わる怪奇話という誰も手出さないような事象に手を突っ込んだ
やり口の大胆さは本当に素晴らしいと思う。

危険度でいったらメインのラストも相当なものなので
こればっかりは見せる人選んだ方がいいと思います。

何はともあれ…
「いい意味で」期待を裏切られた3カ月でした。
前回のグダグタを完全に取り返した、
借りて損の無い、自信を持ってお勧めできる一本です。

お見事!!!

          

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