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ほんとにあった! 呪いのビデオ
Part29
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No.1
「白面の女」

 恐怖度:★★★★★
不気味度:★★★★★
 衝撃度:★★★★★
 解像度:★★★★

■ 現象 ■
投稿者カップルが温泉旅行へ行った際、宿泊した旅館の裏にあった廃墟に立ち入って撮影した映像。かつて旅館だったと思われる廃墟の一室に、髪が長く白い顔をした女性の霊が…。投稿者はその顔に気づいて…。

■ 解説 ■
これ大好き。これ最高。
まっ昼間だが、廃旅館に探索にいったカップル。
昼間なのに薄気味が悪く不気味なところだ。

まず確実に解るものは、天井を映した際にハッキリと見える手。
言っちゃあなんだが、「ありがち」であり、
「こんなもんかー、大して怖くないな」と思ってリプレイを待っていると、まだまだ映像が続く。
ん?

そして、新しい部屋に入っていき、帰ろうとすると、
入口付近の薄暗い部屋からこっちを覗く、白い顔の女の首!!
表情が半端なく怖いのと、出る位置が嫌なのと、最初は薄暗くて解りづらいが
だんだんピントがあっていく様がめちゃめちゃ怖い。
流石に投稿者のカップルの男も気づき、情けない声を出して脱兎の如く逃亡する!
彼女可哀想すぎるだろ、どう考えても。

まず褒めるべくは、新しい手法で攻めてきたこと。
最初にショボめの解りやすい現象を出すことでこっちの油断を誘い、
最後にとてつもないものを持ってくるというパターン。
これ卑怯だろ、呪いのビデオのファンほど引っ掛かる作りだ。(褒め言葉)

個人的には、今まで使ってきた
「霊が別のところにいるのに敢えて気付かないフリをする」手法の完成系だと思う。
くだらない現象を敢えて見せつけ、この後来る衝撃への期待感を薄めさるなんて考えもしなかった。
間違いない、最強クラスの完成度。
現物出現タイプであることもさらに怖みに繋がる。けなし所が全くない。
間違いなく近年での最高傑作。本当に素晴らしい。

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No.2
「占い師1」

 恐怖度:★★★★
不気味度:★★★★
 衝撃度:★★★★
 解像度:★★★

■ 現象 ■
インターネット上のアダルトサイトで配信されていた映像。Sさんという女性が部屋で生活している様子をリアルタイムで視聴者が見られるというコンテンツで、人気だったという。その部屋で異変が起きたというのだが…。

■ 解説 ■
よくある女の子の日常の部屋をリアルタイムで配信している、盗撮サイト?での出来事。
まずは、アダルトサイトの管理者の投稿者(湯川さん)から証言を得る。
女の子が寝てるシーンの後、怪奇現象が現れ、その後映像に撮られた女の子は失踪したという。
それ以上の情報は得られなかったが、湯川さんは問題の女の子(柴山さん)の映像資料を洗い出してくれるという。

スタッフの調査が行き詰った頃、再び湯川さんから連絡があり
「ベッドの下に紙を張っている映像がある」とのこと。
映像を見ると、確かに妙な紙をベッドの下に貼っている。
これは湯川さんもよく解らないらしく、
前管理人だった「カラギノさん」という人なら何か知ってるかも、と言うが、
「カラギノさん」と連絡はつかない。
ここで再びこれ以上の情報が解らず、調査は詰まる。

問題の映像。
奥から真っ黒な刃物のようなものを持った人影がゆっくりと現れ、
柴山さんの寝ているベッドの上に乗り、映像が途切れる。
影がベッドの上にあがる時、軋みが全くしない! 作りか? ガチか?
真偽は良く解らないが、ハッキリと解る完全な黒い影は予想以上の恐怖を与えてくれる。
完全に危害を加えようとしている霊ってのは珍しい。
これがメインなのは正解だな。続く。



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No.3
「お正月」

 恐怖度:
不気味度:★★★
 衝撃度:★★★★
 解像度:★★★★

■ 現象 ■
子供たちにとって、おせちを食べたりお年玉を貰ったり、楽しみな行事の一つでもあるお正月。新年を迎えたある家族が、にぎやかで明るい一家団らんの風景を収めた映像の中に、着物を着た不気味な女性の姿が…。

■ 解説 ■
お年玉をもらう正月の映像。
子供の影に、ハッキリ映る半透明の和服姿の女性。
白昼堂々とその解析度、顔色の悪さと不気味感はあるが
なんとなく悪い霊の感じがしないため、個人的には怖くはないが
完全にハッキリ映ってるのがイイ。

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No.4
「送別会」

 恐怖度:★★★
不気味度:★★★
 衝撃度:★★
 解像度:★★

■ 現象 ■
「送別会」
とある居酒屋で行われたアルバイトの送別会の様子を記録した映像。テーブルの下に黒ずんだような手がうつっている。その居酒屋は、かつて酔っ払い同士の喧嘩で死亡に至った事件があったというのだが…。

■ 解説 ■
飲み会の映像。テーブルの下を映すと、黒ずんだ手が映る。
薄暗いテーブルの下に黒ずんだ手、ということで解りづらいところはあるが
群衆監視の中で現れるのと、映っているだけでなく
こっちに徐々に手を伸ばしているのがなかなかに怖い。
箸休めと思ったが、以外と怖いな。

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No.5
「占い師2」

 恐怖度:★★★★
不気味度:★★★
 衝撃度:★★★★
 解像度:★★★★

■ 現象 ■
Sさんの部屋にうつった不可解な黒い影…。スタッフの岩澤は一年ほど前に投稿されてきた映像にうつっていた黒い影が今回の影と酷似していることを思い出す。さっそくその投稿者に連絡を取るが…。

■ 解説 ■
手がかりに詰まるスタッフ。
しかし、そこで岩澤さんがとある作品との共通項を思い出す。
その作品は、1年前ほど前に採用されなかった「長い刀を持った黒い影が現れる」というもの。
岩澤さんグッジョブすぎだろ。流石最強のスタッフ。
児玉「よく気づいたね」 
岩澤「全部の投稿映像データベースにしてあるんですよね」
すげー。そのデータベース見てぇ(笑)

別の方向から何か手掛かりが得られないかと思い、
その別作品の投稿者(川崎さん)から話を聞くことに。
話を聞くと、前の映像と同様の現象であることが解る。
・「黒い刀のようなものを持った黒い影が現れる」
・「その後、失踪してしまう」
・「失踪するような原因は何もない」

そして、話を進めると決定打、手がかりになる情報。
「失踪した女の子(鈴井さん)は、恋愛の悩みを占い師に相談したら
 家具に貼り付けるお札を貰い、その恋愛は成就した」という。
問題の占い師の情報は得られなかったが、黒い影とお札は繋がりそうだ。

川崎さんに、鈴井さんの部屋を調べてもらうと、メモのようなものを発見する。
ここで、投稿映像。

昼間の公園で恋愛相談をしている姿。
公園の奥から、まず問題の「長い刀を持った黒い影」が現れ、こっちにゆっくりと向かってくる!
その直後、公園の奥を映すと、黒い影は消える。
そしてその後、鈴井さんの背後を映すと、問題の黒い影が至近距離で立っている!!

おい、ちょっと待て制作委員会。なんでこの作品がお蔵入りにされたんだバカ(笑)
メインじゃなくても、単発作品としても結構怖いぞ、これ!

つづく。

これはいいな。検証自体がちょっとグダグダだろうが
映像自体がインパクトがあるため、気になってくる。

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No.6
「シリーズ監視カメラ 市街地」

 恐怖度:★★
不気味度:★★
 衝撃度:★★★
 解像度:★★★

■ 現象 ■
とある市街地に設置された監視カメラの映像。街角とそこを行き交う人々の姿がうつしだされている。その中に、スーツ姿の男性が赤信号であるにもかかわらず横断歩道を渡り、車をすり抜け消えてしまう映像が…。

■ 解説 ■
4箇所を映した監視カメラの映像。こういうパターン久し振りだな。ウォーリーを探せ、的な楽しさがあるw
正解は右上の映像。スーツ姿の男性が、車が通り過ぎる中横断歩道の中に入り、車をすり抜ける。
直後、手前を大型トラックが走り抜けると、問題の男は消える。
よくある話でパターン的にも使い古したものだが、あまりにも自然な動きで来ているので
ちょっと説得力がある。いい。


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No.7
「ダンス」

 恐怖度:★★★★
不気味度:★★★★
 衝撃度:★★★★
 解像度:★★★★

■ 現象 ■
ダンスの振り付け師をしているという投稿者が深夜の公園で踊っている様子を撮影した映像。投稿者は振りを思いついた時など、よく記録のために自分を撮影するという。その中に横たわる不可解な女性の顔が…。

■ 解説 ■
前に所属していたダンスグループがあり、そこで付き合っていたマネージャの女性が居たが
ダンスグループ解散の折、その女性と酷い別れ方をしたらしく、
多分自分(投稿者)のことを恨んでいる、という。
その後、彼女は別のグループに所属したらしいが、そこでソリが合わずに自殺したという。

インタビューの折、岩澤さんが「なんでその顔が彼女だと思ったんですか?」と聞くと
その彼女、最近夢に出てきて、その顔に似ているんですよ、との事。
普通にめっちゃ恨まれてるじゃん、夢に出てくるって相当じゃん。こいつ相当図太いなぁ。

で、問題の映像。
公園でダンスの振り付けを試していると、左手側の石壇の影から突然現れる女の頭部。
そこまで解析ではないが、恨みつらみの目がなかなか怖く
こういう出現パターンは、個人的お気に入りのpart11「不動産めぐり」と通じるものがあり
問答無用で怖い。



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No.8
「サマーキャンプ」

 恐怖度:
不気味度:★★
 衝撃度:
 解像度:★★

■ 現象 ■
海で行われたサマーキャンプの様子を収めた映像。磯辺ではしゃぐ子供達の元気な姿にまじって、岩にしがみつこうとしているような白い手が…。かつてこの海水浴場では津波で多くの人が亡くなったというが…。

■ 解説 ■
サマーキャンプで、磯辺で遊ぶ子供たちの姿。
そこに、岩にしがみつく白い手が海中から伸びている。
海の事象はだいたい手だなぁ。ありきたりすぎて今更感は強い。
ってか、レビューでもこのパターンを何回説明したか解らんw
まあ、箸休め。最後は衝撃のメイン作品のオチが待っている。


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No.9
「占い師3」

 恐怖度:★★★
不気味度:★★★
 衝撃度:★★★
 解像度:★★★

■ 現象 ■
一年前に投稿されてきた「黒い影」の映像について調査を進めた我々取材班。我々は、今回の投稿と一年前の投稿には多くの共通点があることを知り、ある仮説を打ち立てる。次第にその仮説は真実味を帯びてくるが…!

■ 解説 ■
前回、失踪したという問題の鈴井さんのメモを調べる。有力な決定的な証言はないが
失踪前後に「K氏に合う」「K氏と相談する」との謎のメモが。
岩澤さんは、最初の投稿(アダルトサイト)の前管理人「カラギノさん」の「K」では?
と、ちょっと強引な推理をするが、これ以上の情報はないためその筋で話を進めることに。

湯川さんに聞くと、カラギノさんの事はあまりわからないというが、
湯川さんに紹介してもらったアダルトサイトで長年働く女性から、
「カラギノさんは、お札を使った占いが得意だった」という、まさかの仮説がドンピシャ。わお。

今のところ情報は少ないが、数少ない珍しい苗字の「カラギノ」と「占い」のキーワードから
ある地方の場所を探し当て、その山奥まで進むスタッフ。
その場所は、山と沢しかなく手がかりは掴めそうにないが、役場に連絡してカラギノを調べることに。

役場の郷土史を担当する人から話を聞けることになり、
・「カラギノ」の土地は、そこに住んでいた一族の名前から取られている。
・「カラギノ一族」は、狩人や狩猟者の「祈祷師」「占術師」的役割だったという。
・「カラギノ一族」は、伝説によると、呪術力維持のため
 若い女性を生贄に捧げる風習があったという。
・明治時代以降、カラギノ一族は姿を消している。
・カラギノ一族の呪法は、外部には一切伝わらない。


決定的なカラギノの情報を得た後、もう一度澤に戻るスタッフ。
薄暗い山の中からは、本当に女の悲鳴のような甲高い声が響き渡っている。
確かに、獣の声じゃない。そしてハッキリ聞こえる。響き渡っている。
更に、山の中を登る映像の中に、不可解な点が2つ。
・岩場から覗く青白い女の顔。
・スタッフ足場に岩にハッキリと映る女のくりくりした両目。

最後のオマケの割には全然悪くない。むしろ山の雰囲気と相まって、なかなか怖い。
ちなみに後者はいつもよく使うスルーなので、ご自分で確認されたし。
ハッキリ映るし、見間違いじゃないので。
うーん、仮説が本当なら、ここ相当ヤバイんじゃないだろうか。




中村さんの締め。

「柴山さん、鈴井さん、カラギノの名をもつ占い師の行方は、未だ解っていない」

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総評:★★★★★★★★☆☆(8/10)

メインや冒頭を含め、投稿映像の質が非常に高い。
★9評価ぐらいでも良かったが、あとメインに力入れすぎてて、投稿作品少なめだったという点を加味して
この点数くらい。

まずは冒頭の「白面の女」が素晴らしすぎる。
手法は上で散々褒めちぎったので詳しくは書かないが
ファンほど引っ掛かるというやり方は、コアなファンにとっては一番嬉しいファンサービスだ。

そしてメイン。映像のレベルが衝撃的に高いだけで嬉しいのだが
検証が凄い、細い糸からよくここまで持ってこれた。
都市伝説にも登らないほど廃れた「呪術師」を現代に蘇られるなんて離れ業だ。
今回のスタッフの中で一番いい仕事したんじゃないだろうか。

呪術がテーマだと、単なる安っぽいB級ホラー映画になりそうなところだが、
そこは安定した技法をもつ「呪いのビデオ」の看板を背負ってるベテランスタッフが
絶妙な味付けをしてくれている。
また今更だが、看板タイトル「呪い」のテーマ的には、今回が一番合っているのかも。

その他投稿作品も、個人的評価だが★の数が多く捨て作品が「サマーキャンプ」ぐらいしかない。
全体的に露出度が高く、解りやすいのがいい。
もっと投稿作品の数を増やして、Special6にしてくれても全く違和感のないくらいの
驚異の大作である。ぜひ見てほしい。

          

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