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ほんとにあった! 呪いのビデオ
Part25
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No.1
「半面の男」
恐怖度:★★★★★
不気味度:★★★
衝撃度:★★★★★
解像度:★★★★
■ 現象 ■
大学生の投稿者がサークルの後輩とある廃墟を訪れた際の映像。そこはとある企業のセミナーハウスだったが、今は荒れ果て、名の知れた心霊スポットになっているという。その映像に男性らしき半面の顔が…。
■ 解説 ■
期待感たっぷりの廃墟探索系。荒らされた廃墟と夏の蛙の声がさらに期待感を押し上げる。
投稿者が変な声に気づいたり、問題の部屋に入ると勝手に扉が閉まってたり、前振りもバッチリ。
いよいよ現れる現象は、廃墟の奥から一瞬だけこちらを覗く、憤怒の表情を浮かべた反面の男の顔。
が、今回はそれで終わりではなく、物凄いスピードで反面の顔だけがこちらに接近し、霧散する。
流石に投稿者も気づき、「なんかいるなんかいる!」と驚き逃走。
実質的に被害は受けていないが、こういったものが接近してくるのは問答無用で恐怖だ。
ある意味名作の「疾走!」を彷彿とさせる。現物出現タイプの良作。
初っ端から物凄い。良い!!
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No.2
「不気味な女」
恐怖度:★★★★★
不気味度:★★★★★
衝撃度:★★★★★
解像度:★★★★
■ 現象 ■
投稿者は新しいマンションに越したので、離れて住む母親に中の様子を見せるため携帯電話で動画を撮影していたという。一見、何の変哲もないワンルームマンションだが不可解な顔や女性の姿、泣き声のような音が…。
■ 解説 ■
ほん呪シリーズの中でも5本の指には入るであろう、恐怖と狂気の大作。
検証のアングルとして現象の部屋を調べると、天井裏から薄汚れたロープが発見される。
ロープについた汚れを鑑定すると、人間の皮脂と、A型・AB型の血液が検出された。
また、現象の部屋は4年前から赤ん坊の泣き声が続いていたという。
これだけ解れば何があったか、そして何が録れてしまったかはなんとなく想像がつくだろうが
狭いアパートの一室に収められていたものは、そこから考えられる事象の「フルコース」であった。
まず、押入れには、子供の白骨死体のような白面。
これですらインパクト十分、投稿者も気づいたのか少し絶句。
この段階では気のせいで片付けられたのか、そのまま部屋紹介を続ける投稿者。
しかし、振り向くとそこには青い服を着た母親らしい女が、
はっきりと立っておりこちらを睨みつけていた。
流石にヤバイと思い声も上げずに逃走。
これだけでも十分すぎるほど恐怖なのだが、
慌てて置いて行った携帯電話動画の最後の数秒には、
地獄からの声のような低音の子供の泣き声が響き渡っていた。
一度に複数の事象があるパターンは、一粒一粒が小粒なのだが
今回に限り、どれをとってもかなりの破壊力がある。
それがなんと、3つ。特に青い服を着た母親が現れるところはトラウマレベルの恐怖。
更に、出現場所が自分の部屋なのだからたまらない。
このような現物出現タイプは、後を引く余韻のような恐怖感は薄いのだが
この作品に限り、出現場所のお陰で初見のインパクトを与えつつ、
1人暮らし生活に恐怖の余韻をいつまでも残す最悪の一作である。
けなし所がなく、どれをとっても素晴らしい!
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No.3
「ロッククライミング」
恐怖度:★★
不気味度:★★
衝撃度:★★
解像度:★★
■ 現象 ■
登山を趣味とする投稿者がロッククライミングの様子を収めた映像。よく見ると切り立った崖の一部に手首のようなものが確認できる。その岩場はかつて痛ましい事故で亡くなった人がいるという…。
■ 解説 ■
ロッククライミングのさなか、画面が右にバンされる際に、岩場にしがみつく白い手首。
ここまでとんでもないものが続いたので、箸休め。
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No.4
「僕の彼女」
恐怖度:★★
不気味度:★★★
衝撃度:★★
解像度:★★★
■ 現象 ■
一人の若い女性が夜道を歩いている映像。彼女の背中に不可解な顔のようなものがうつっている。投稿者は彼女の恋人だと名乗っていたが、女性に取材を申し込むと「投稿者とは恋人関係ではない」と言うのだった…。
■ 解説 ■
鈴木さん(投稿者)曰く、「彼女の仕事帰り、ビデオで撮った」というか、どうみても盗撮としか思えない投稿映像。
恋人に黙って投稿したとか言うが、スタッフもなんとなく怪しいと思ったのか
恋人の水谷さんに連絡してみると案の定鈴木さんの脳内彼女。
5分でバレてやんの(笑)
その後折り返し鈴木さんに連絡。
岩澤「彼女は付き合ってないっていってますが..」
鈴木さん「彼女に言ったんですか。。。あれほど言うなっていうたのに。。。」
岩澤「さーせんwwwww
いやでも彼女付き合ってないって言ってますけど」
鈴木さん「合ったことないけど、いずれ必ず付き合いますので」
うわぁ、こいつ真性だ…
その後スタッフ独自に調査。
水谷さんの過去の男性経験洗い出し。下世話もいいとこだ(笑)
聞いたら水谷さん、とんでもない人らしく。一度に複数付き合ってたとか、貢がせる奴だとか。
現象と関わるキーワードは
「結婚寸前まで交際してた男性がいたが、水谷さんの浮気で破綻。その男性は自殺した」
さて、現象は道路を歩く水谷さんの背中に大きな男の顔の影。2回。
現象的にはちょっと微妙。
上にあんな化け物じみた大作があるのに何でこれがメインなんだろうか。
続く。
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No.5
「サファリパーク」
恐怖度:★★★
不気味度:★★
衝撃度:★★
解像度:★
■ 現象 ■
投稿者の家族がサファリパークに遊びに行った際の映像。ライオン、トラ、熊などを身近で見て興奮する子供たちの微笑ましい映像の中に、ガイドバスの窓ガラスに映った、こちらを睨み付けている不可解な顔が…。
■ 解説 ■
サファリパーク内のバスの中、立ちあがっているクマを映した際、
画面手前の下のほうからこちらを睨む女の顔。
表情に怖味はあるし、出現場所もおかしいから説得力はあるが
解りづらすぎてイマイチ。ってか、よく気づいたな。
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No.6
「家庭用監視カメラ」
恐怖度:★★★
不気味度:★★★
衝撃度:★★★★
解像度:★★★★
■ 現象 ■
一軒家の玄関に設置された防犯用のカメラが捉えた奇妙な映像。この防犯カメラは何か動きがあった時に録画機能が働くという。そこには人物の姿はなく、黒い影がスッと動く映像が録画されていた…。
■ 解説 ■
人に反応するセンサーが誰もいないのに誤作動する、といったものはありがちな話で、
今回はそんなありきたりな怪談がテーマの作品。
撮られた監視カメラは、人がいると反応しオートで撮影されるタイプだという。
スタッフの調査の結果。
投稿者の借家に前に住む住人の旦那さんが、出張した先で車に撥ねられて亡くなったという。
そして投稿映像が撮られた日は、前の住人の旦那さんが亡くなった日と同じ、更に同じ夜だという。
投稿映像は、玄関前に首を垂れながら佇む黒い影。呼び鈴を2度鳴らし、
掠れた聞き取れない声で「ただ、いま、母さん」と呟き、家の中へと消える。
一周忌になりようやく、我が家に帰ってこれたのか…
恐怖感はもちろんあるが、影のうなだれ方や声、
そして影の境遇を考えると、何ともモノ悲しい気持ちになる。
呪いのビデオシリーズでは珍しい、恐怖感より哀愁を与える一本。
名作である。
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No.7
「熊野観光」
恐怖度:★★
不気味度:★★★
衝撃度:★★★
解像度:★★
■ 現象 ■
投稿者カップルが和歌山県の熊野に観光旅行に行った際に撮影した映像。神社の境内や、祭りの様子などが収められているなか、通りすがりのある男性の横顔にたくさんの不気味な目がついており…。
■ 解説 ■
祭りの際、偶然撮られたオッサンの横顔に複数の眼。
とりあえず不気味ではある、
伝統ある熊野のお祭りの独特の雰囲気がいい味を出している。
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No.8
「続・僕の彼女」
恐怖度:★★★
不気味度:★★★★
衝撃度:★★★
解像度:★★★
■ 現象 ■
ある女性の背中に現れた不可解な顔。だがその映像はストーカー行為によるものだった。我々は女性からの要望を投稿者に伝え、投稿映像はお祓いを行った。だがその後、我々は別の心霊映像を発見することに…。
■ 解説 ■
水谷さん「今回は警察沙汰にはしない。
でも今後続くようだったら訴える。
現象のビデオは見た。
その他の盗撮ビデオも鈴木から取ってきてお祓いして返して欲しい。」
すげぇ、完璧な大人な対応だ(笑)
鈴木さんに連絡し、この回答を伝える。
鈴木さん終始無言。
盗撮ビデオは回収し、呪のビデオ制作委員会御用達の神社でお祓い。
その後、水谷さんに返そうと連絡したら体調不良で職場を辞めて実家に帰ったという。
あまりにも急激な変化を不審に思い、鈴木さんに連絡してもこっちも繋がらず。
水谷さんの同僚に話を聞くと、かなり挙動不審な様子でストレスだったのでは、との話。
その後再び鈴木さんに連絡すると繋がり、話を聞くともう水谷さんに興味ないという。
憑きものが落ちたかのようだ。
よくわからん感じで検証が終わり、スタッフが映像を編集しているともう1点事象発見。
鈴木さんが水谷さんを尾行しているシーンで、自分の影を映すと
最初の映像で現れた男の顔が、自分の影から生えていた。
こっちは怖いな。
こいつが鈴木さんを操っていたのか? という微妙な結論と
ちょっと味のあるナレーションで幕は閉じる。
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総評:★★★★★★★★☆☆(8/10)
「半面の男」「不気味な女」頭2つの現物出現タイプの、テンポの良さとクオリティは尋常じゃなく良い。
頭が良い巻にはありがちな、後半失速パターンの典型なのが残念ではあるが
今回は有り余って「不気味な女」が最高にいい。
上で解説はしているが、
初見のびっくりの恐怖と、後を引く余韻の2つを高水準で味わえる数少ない作品。是非ご賞味頂きたい。
いっぽう、メインの僕の彼女のストーリー性はなかなか面白いが、怖さ的はいまひとつなのが残念。
完全に「不気味な女」に食われてる作品を敢えてメインに添えなくてもよかったのでは。
また、シリーズ監視カメラが実に味わい深い。これも地味ながらお勧めである。
全体を通しても悪くない水準なので、お勧めできる一本である。