###########################################################
ほんとにあった！ 呪いのビデオ
Part１６
###########################################################
No.1
「卒業旅行」
恐怖度：★★★
不気味度：★★★
衝撃度：★★★
解像度：★★★
■ 現象 ■
投稿者Ｓさんが卒業の記念に友人達と訪れた沖縄での映像。その岸壁は美しい風景から有名な観光スポットとなっていたが、同時に自殺スポットの一面も併せ持っていた。そこで投稿者は自殺の原因を捉えてしまったというのだが…。
■ 解説 ■
卒業旅行で沖縄に来ていた投稿者達。
自殺スポットという側面を持った、美しい観光スポット。そこから飛び降りる半透明の人影。
落ち方が少し不自然なのがイイ。怖味はないが、つかみとしてのインパクトはバッチリだ。そして、隠しテーマが「自殺」である16のオープニングには相応しい。
-----------------------------------------------------------
No.2
「引っ越し先に…」
恐怖度：★★★★★
不気味度：★★★★
衝撃度：★★★★
解像度：★★★★
■ 現象 ■
友人２人と共同生活をОさんが引越しの際の光景を収めた映像。運び込んだ家具を組み立てる友人の後ろにいるはずのない人物の影が…。そしてその後その部屋に住む友人の様子がおかしくなってしまったというのだが…。
■ 解説 ■
一軒家に引越した投稿者。引っ越す際に撮られたビデオ。
テーブルを組み立てている途中、女の子が咳をした直後、窓ガラスに首吊り死体の下半身のようなものが映る。
問題の映像が撮られた部屋の不自然な汚さ、壁に飾られたお札、自殺未遂を繰り返す同居人……
以上のような要素で期待を膨らませるが、映像はほとんど一瞬しか映らないのがちょっと物足りない。
ハッキリと映るのは高ポイントなのだが。
この作品は紛れもなく今回のメイン作品。
この回に散りばめられた謎が解った人だけ、この作品の真の恐怖を味わうことができる。
理由は後述。
-----------------------------------------------------------
No.3
「死の予告」(前編)
恐怖度：-
不気味度：-
衝撃度：-
解像度：-
■ 現象 ■
製作委員会に差出人不明の人物から突如送られてきた大量の謎のビデオ。それは見知らぬ男の日常生活を淡々とうつした映像だった。誰が何の目的で送りつけて来たのか？そしてその結末にはあるとんでもない衝撃の映像が収められていた！
■ 解説 ■
N2「引越し先に」はある意味でこの作品の前座のようなもの。
制作委員会に送られ続けていた、挙動不審な(薬やってる？)男の日常の映像。
結末は、最後まで引っ張る。ここで覚えていて欲しいのは、まずは部屋の作り。
「スタッフは２度驚かされることになる」……最後には衝撃の結末が待つ。
-----------------------------------------------------------
No.4
「体育館に唸る音」
恐怖度：★
不気味度：★★
衝撃度：★
解像度：★
■ 現象 ■
卒業前に思い出を残そうと体育の授業を撮影者のＭさん。カメラのスチル写真機能でスポーツを楽しむ友人たちが次々と写されるなか、ある人物の写真だけがなぜかブレて写ってしまうという現象が起きた。そしてその直後に不可解な音が…。
■ 解説 ■
体育館でカメラ付のビデオで遊ぶ投稿者。女の子の顔がブレるのは偶然だろｗ
それにプラスして、「シュルシュルシュル」 という音が今回の事象だと知った時は過去最低のランクを付けようかと思ったが、
その後のスロー再生をすると、ハッキリと声が聞こえる「キエロ…キエロ…」
尺取った割には微妙。
-----------------------------------------------------------
No.5
「ライブハウス」
恐怖度：★★★
不気味度：★★★
衝撃度：★★
解像度：★★
■ 現象 ■
スタジオでバンドの練習風景を収めた映像。収録中、突然メンバーのＫさんが気を失って倒れてしまった。後にその映像を見てみるとＫさんにしがみつこうとする奇怪な手のようなものが写りこんでいた…！
■ 解説 ■
青春パンクっぽいコピーバンド。うーん、いいなぁ。(死)
現象は、ライヴ中に突然倒れたドラマー。
その正体と思われるものは、ドラマーの肩からタオルのように伸びる血塗れの手。
ただの手ではなく、血ぬれなのがポイント。
倒れたことも考えると結構怖いのだが、一瞬しか映らなかったのが残念でならない。
-----------------------------------------------------------
No.6
「背に佇む少女」
恐怖度：★★★
不気味度：★★★★
衝撃度：★★★
解像度：★★
■ 現象 ■
幼稚園の近くの駐車場で、友人達と落ちていたサッカーボールで遊び始めた投稿者のＡさん。その様子を撮影した映像の中、友人の一人の背後に何者かの影が…。一見少女のようにも見える影の正体とは…？
■ 解説 ■
コンビニの店員(♂)に♂が告白するという罰ゲームｗの帰り道の投稿者たち。
幼稚園前にあったサッカーボールで遊んでいると、背後にいきなり女の人影が(比較的ハッチリと)現れる。
この人影、結構背丈があるので少女というには厳しいんじゃないかなｗ
無表情でなかなか怖く、ハッキリとは映るが、一瞬しか現れないのは残念だ。勿体ない。
-----------------------------------------------------------
No.7
「叫び」
恐怖度：★★
不気味度：★★
衝撃度：★★★
解像度：★★★
■ 現象 ■
Ｅさんがバイト先で知り合った彼女を公園で撮影した映像の中に不可解な声が混じり込んでいた。それを見た直後、彼女との連絡が途絶えてしまったという。取材班がその女性を探し出したところ、彼女の口から意外な事実が明かされることに…。
■ 解説 ■
音声系。彼女とのデート中、ふと聞こえる気味の悪い声。
「ｨｨｧｧ…ｧｧｧｧｩｧｧｧ…ﾔﾒﾃ…ﾔﾒﾃｪ…」
声の正体らしきものは検証で明らかになる。
…この女も腹立つが、背景を考えればやはり切ないものもある。
個人的に音声系では好きな作品。
-----------------------------------------------------------
No.8
「誘い」
恐怖度：★★★
不気味度：★★★
衝撃度：★★★
解像度：★★★
■ 現象 ■
事故が多発するという電車の踏み切りに設置された監視カメラ。昼間に収録されていたその映像のなか、通過する電車の窓ガラスには人のような巨大な姿が映りこんでいた。それはそこで多発する事故と何らかの関係があるのだろうか…？
■ 解説 ■
通過する電車の中に現れた大きい人影。手まねきしてる…？
その後コケる女子高生と繋げるのはちと無理がある。
-----------------------------------------------------------
No.9
「続・死の予告」
恐怖度：★★★
不気味度：★★★★
衝撃度：★★★★★
解像度：★★★★
■ 解説 ■
制作委員間にビデオを送り続けた、挙動不審な(薬やってる？)男の日常の映像。の結末。人生の結末。
掛ってきた電話に落胆し、死にます、と呟き
ベッドの上に縄をセットする。
そのさなか流れる…
「この後、ご覧になる映像は
実際の自殺現場の映像です。
お子様などには、悪影響を及ぼす可能性があるので
絶対に見せないでください。
又、この映像をご覧になった後
不可解な出来事・霊的事象が
おこった場合、その事について
こちらでは、一切の責任を負いかねます。
ご了承してください。」
…最悪のテロップ。
警告。
現象は、本当に自殺後の天井からぷらぷら揺れる男の死骸。
そして、ぷらんぷらんと揺られてる中、留守電からは死んだ筈の男の声が咳と共に流れる。
自殺者を見せるというやり方は、呪いのビデオ的には反則技。
生首吊りショーは心の芯からくる嫌悪感はあるが、決して心霊的な恐怖ではない。
この作品で紹介される霊現象は、男の死後に留守電へと入る男の声。
だが、これだけは説得力に欠ける。ぶっちゃけると嘘っぽい。
正直言って、この留守電のくだりはオマケもいいところなのである。
この作品の本当に怖味はそんなことではなく、とある作品とリンクしていること。その作品の恐怖感を盛り上げるため、この「死の予告」は存在している。
なぜなら、その作品とこの作品とには、奇妙な共通点があるからだ。
奇妙な共通点がある作品とは…「引越し先で」。
共に「首吊り自殺」を扱ったこの２本。
まず１つめのポイントは、「引っ越し先」で現れた首つりの下半身。
どう見ても「死の予告で」で死んだ男の服装と一致している。
もう１つのポイントは「咳」。
「死の予告」の男は死ぬ直前、咳をしていた。
「引越し先で」では、投稿者の女性が咳を二度ほどした次の瞬間、首吊り死体が現れた。
そして、決定打となるのは部屋の構造。
部屋の構造(階段の位置など)から考えて、この死んだ男の部屋は、
「引っ越し先で」で死体が現れた部屋と同じものだ。
つまり、「引っ越し先で」のキッカケとなったのが「死の予告」という構図になる。
「前にこの部屋で自殺した人の霊が現れる」のはよくあるパターンだが、なんと、今回はその前段階の、その部屋で自殺した現象をリアルシーンで同時に紹介している。
言うまでもないが、とんでもない。ありえないやり方のアプローチだ。
スタッフはこの事実を完全にスルーし、様々な伏線を散りばめ、「解る人だけ解る」作りにしている。
素晴らしい。
-----------------------------------------------------------
総評：★★★★★★★★☆☆☆(7/10)
テーマは自殺。
なので、「卒業旅行」「引っ越し先で」「死の予告」など、直接的な死に触れた作品の多い、問題作。
先ほど長々と説明したが、「引っ越し先」と「死の予告」のリンクのさせ方が素晴らしい。
もうちょっとヒントを与えて解りやすいようにすれば良かったかもしれないが。
スタッフが今までちょこちょこ使ってた「敢えてスルー」の手法の完成系であり間違いなく最高峰。
他の作品のレベルが全体的に低めなのが高評価までいかない原因だった。
全体的なテンポは良いが、霊現象の露出度が低く物足りなさがある。